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前橋市の鍼灸院 東風(とうふう)です。

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症例報告

難病シリーズ 
このページでは比較的短期の症例を取り上げてきましたが、一年以上、数か月に渡って治療し結果が出てきている患者さんも実は多いのです。
その多くはいわゆる「難病」と呼ばれています。
このシリーズではそういった難病の患者さんたちを紹介していきたいと思います。

難病シリーズその1
顔面播種状粟粒性狼瘡(がんめん はしゅじょう ぞくりゅうせい ろうそう)の症例

極めて難解な病名をもつ40代後半女性の症例です。
令和6年3月19日初診






〔顔面播種状粟粒性狼瘡について〕

顔面播種状粟粒性狼瘡とは、数mmほどの大きさの赤いブツブツとした盛り上がり(丘疹)が、まぶたや頬、鼻、目や口回りなどに複数出現する皮膚疾患を指します。特に下まぶた周辺や鼻の周辺、頬、口回り等を中心に、赤いブツブツとした丘疹が生じ膿を伴う事があります。しかし痒みや痛み等の自覚症状は基本的にありません、原因不明。10〜30代の方に多いといわれていますが、どの年齢層でも生じることがあります。比較的まれな病気であると考えられており、診断までに時間が掛かることもあります。治療には、抗生物質が用いられることが一般的です。
〔経過〕
・令和5年4月頃上記症状が起る。ランニングや入浴にて悪化傾向あり。この方は趣味がマラソン(フル)で時に100キロマラソン大会に出場するなど走るのが大好きな女性です。しかしそんな人でもでも原因不明の難病を起こすのです。発病後当然皮膚科にて抗生剤中心の治療を受けているが状態は変わらない。却って副作用に悩まされる。
身体を診てみると東洋医学における「肝」と「腎」のツボに反応が著明に出ていました。では何で症状が無かったのか、何故今発病したのかという点ですが、これは彼女の年齢条件(40代後半)もうじき更年期年齢に入るという身体の変化が大きく影響したものと考えられます。
〔処置〕
・東洋医学における「肝」「腎」の気を補う治療を行いました。院内では背部のツボを使いますが、実はこの方鍼灸師なのです。そのため週に数回自分で出来る足のツボに治療してもらいました。顔面に熱感が強い時は頭部のツボも使ってもらいました。
当院には月に一回通院、ツボの状態を見てチェックする形を取っています。
結論的には、3月初診時に比べ9月末段階で90%改善。
現在は左まぶた周囲に発疹が残っていますが、熱症状や化膿する事は無くなっています。
結論的には過剰ともいえるトレーニングと疲労が更年期年齢と相まって、顔面に熱が上向し発疹を引き起こしたと分析しました。
治療は当院では背部、自分では下肢のツボを中心に処置し顔面には一切鍼をする事はありません。
原因と結果を東洋医学的に分析し治療効果をあげた症例と言えます。


風邪から急性頸肩痛を発症した80代女性の症例
2024,7,17初診
三日前から左頸痛その後日を追うごとに痛みが広がり、両肩、頸に激痛。
左腕も痛む。
この方を診察してみると、身体の左上部に気の偏在があり、多汗体質ですが、上背部風邪と関係ある部分に発汗と冷えが著明でした。
また右手甲のツボに反応を認めます。
問診してみると、最近の暑い時扇風機を直射して涼んでいたとの事。特に食後一時間位寝てしまう事が多くその間も扇風機に当たりっぱなしという事でした。
これらの点から風邪の邪気が左首肩に侵襲、熱化して激痛となっているものと診断いたしました。
〔処置〕
左手のツボに10分置鍼、頭部のツボに一本瞬間的な鍼治療を行いました。
〔経過〕
患者さんに、この場合原因から今夜発熱と発汗が起る可能性を説明して治療を終えましたが、はたしてその夜発熱と発汗、痛みが起り大変だったとの事。
しかしその後から痛みは大幅に改善。左首肩の強い痛みは3回の治療で改善、以前からの関節痛やひざ痛の治療のため2週間に一度通院しているが、初診の症状は改善している。
この方の場合、東洋医学的でいう外邪(風寒)が強度の急性疼痛を起こした典型的な症例です。こういう場合治療後発熱や発汗を起こしますが、その後急速に症状が改善します。
突然起こった急性の痛み、それはよく原因を探ることが重要です。

左ひざ裏肉離れの45歳男性の症例
・3月24日サッカーをしていて左膝裏肉離れ発症。接骨院にて治療していたが改善せず4月5日に来院されました。
・左足が突っ張って走れない。足に負荷をかけると痛みが起るとの事だが、問題はこの方はサッカーの審判で6日に2試合主審と副審でジャッジする予定との事!
・わずか3日しか期間がありません。
・初回治療で特別の治療で、炎症を取る処置を行う。⇒翌日痛みは50%改善。負荷をかけた時の痛みは残る
・5日2診。巨刺法という手技を用いて痛みの改善を図った。
・結果6日は無事2試合の審判が勤まった。このようにスポーツ障害にも鍼灸は極めて有効なのです。



★慢性左肩こりの女性の症例
60代女性 右股関節の痛みを主訴に来院されました。
この症状はすぐ改善しましたが、以前より慢性的な左肩こりに悩まされているとの事でした。
診察してみると、背中の「身柱」(しんちゅう)というツボにはっきりと冷えの反応があり、対応する左手首周辺のツボにも反応が認められました。
これは外感といって、風や冷えの邪気が慢性的に身体の表面を襲っている状態を示します。
風邪を引いて頭痛や肩こり、首筋の張りを起こすことはよくある事です。
この軽い状態が続いている事が原因なのです。
「肩こりだけど、幾ら揉んでも楽になりません」と言っていましたが、原因が異なるのです。
鍼とお灸で処置したところ、数回の治療で大幅に改善しました。



★下記症例14の全身脱毛の女性の症例  経過
・非常に難しい症例(詳細は14を参照してください)ですが、治療開始後1年経過。
後頭部を中心に発毛が認められます!
御本人の了解を得ていませんので、写真はアップ出来ませんが順調に発毛してきています。
しかし全体的にはまだまだ不十分です。今後どれほど治療が必要になるかは?ですが、少なくとも完全にゼロからの出発です。
こういう方は西洋医学ではどういう治療をされるのでしょうか。。
また鍼灸でも「美容鍼」をテーマとされている方々はどういう治療がイメージ出来るのでしょうか。。
この先の経過が楽しみです!



★不定愁訴の40歳男性の症例
患者さんの紹介で来院された方ですが、一回の治療で著効を得た症例です。
【主訴】
・首筋から背中にかけての強度の凝り感。天候によっては頭痛がある。
・胃の調子が良くない。ストレスによって不快感。消化機能が低下している感じがある。
・胸骨、肩腕の付け根の痛み。上半身に疲労がたまっている感じが強い。
・咳が良く出る。
・これ以外にも眩暈感、耳鳴り、口内炎ができやすい等の症状が認められます。

◎このように整形外科的症状に内科的症状が重なっている方でした。
(体表観察)
身体を診せていただくと、慢性的な外邪の侵襲を示す反応が左前腕にあり腹部では右季肋部に著明な反応が認められました。更に脈力が低下しています。
これらの点から右上半身に気の停滞があり、風邪などの外邪を受けやすい状態にある事を示しています。
その中心的な問題は右季肋部の緊張です。
これが上部に影響すると発咳や首の凝り、下部に影響すると胃腸症状を引き起こします。
何故この部分に緊張を生じたかという問題ですが、この方の場合はストレスの影響が多いと判断しました。
(治療)
・左手のツボ一か所に鍼をして、頭と腹部に接触させる鍼で処置。


この治療にて症状大幅に改善。約1っか月後に再診しましたが、とても経過が良いと喜んでおられました。
鍼灸治療が著効を示した例といえます。

★暑すぎる一年について
今年ほど暑い年はありませんでしたね。10月末に熱海、小田原に行ってきましたが日中は半袖でも十分な暑さです。
11月になっても夏日になりそうな気配で、これは異常な状態です、
治療院紹介で、太極陰陽図が描かれていますが陰と陽は釣り合って統一しているのですが、この点から今年の冬は大変寒い冬になることが必要です。
が・・現在の様子ではどうでしょう?
明らかに陰陽のバランスが崩れて来ています。特に2020年代になってから加速してきているようです。
地球温暖化、それは陰陽のバランスが崩れている証明です。
この状態が続くと大きな災害を伴った気候変動が
必ず訪れます。
残念ですが、現在それを止めることは出来そうにありません。
この時期に特に気を付けて欲しいのは、朝夕と昼間との気温差です。極めて外邪に侵されやすい状態になりますので、風邪様アレルギー症状や流行性の温病(インフル等)に気を付けてください。


★左右の偏りについて
患者さんによっては、症状が左右どちらかに偏っている場合が、比較的多く見られます。
肩も腰も膝も右ばかり痛む、左の頭痛、首肩コリ、腕がだるい等いつも左が具合悪い等と訴えられます。
何故こういう事が起るのでしょうか。
一番の原因は「気の偏り」です。
気の偏在が左右どちらかに偏ることにより、症状の出方が違うのです。
もう一つは外邪によるものです。風寒や冷えの邪気が身体に侵襲すると多くの場合症状が偏ります。
背骨を中心に左右のバランスが悪い方も原因になります。

現在治療中の60代女性
・主訴は不安、緊張、不眠、胃の痛み、不快感(諸検査異常なし)左腰痛

・この方は背骨を中心とした左右のバランスが極端に左に緊張が偏っていました。特に自律神経や胃腸に関わる部分の反応が顕著です。
鍼治療にて左右のバランスを調整していったところ、諸症状が改善してきています。
西洋医学では整形外科、胃腸科、神経内科の対象となるような症状ですが鍼治療では全て診る事が出来るのです。

★梅雨の時期の症例
梅雨の時期になり、来院される方に湿邪が関わる症状を訴える方が増えています。頭痛、肩こり(多くは左)倦怠感、胃腸症状等が特徴的です。
これらは「風湿」の邪気が身体に影響しているのです。
西洋医学では気象病として取り上げられています。
運動による発汗機能の強化や甘いものの取り過ぎに注意することも大事です。鍼灸では外邪から身体を防衛するツボや水分の代謝、胃腸機能の調整などを行い診ていきます。

★湿熱体質というべき体質があります。これは身体にとって重要な「水」と「熱」という要素がありますが、水は身体を冷やし潤す作用があり、熱は身体を温め滋養します。
健康を保つには大事なのですが、過剰になった水と熱が結びついたものが「湿熱」です。
これは多くは食べ過ぎ、飲み過ぎによる飲食の問題が一番の原因となります。梅雨時期の湿気と呼応して症状を強めるのです。

★そこで、湿熱体質を解消する方法ですが「水」と「熱」が結びつくわけですから当然水と熱を代謝すれば良いのです。
一番は「運動」です!発汗によって水と熱を代謝するのが一番ですが、夏季は時間帯によっては屋外は危険となるので家の中やジムでの運動が宜しいと思います。
サウナ等で発汗するのは水を無理やり絞っているだけなので、運動による代謝が必要です。サウナはむしろ運動後の疲労回復などで使われる事をお勧めします。
適度な運動は胃腸機能を高め排泄機能を良くしてくれます。
健康への道は単純ですが、本質的な面なのです!


思い出の症例その2 鼻に異臭が残った女性の症例
これも相当以前の症例です。
50代女性。上京し駅でトイレに立ち寄った時すれ違った女性と交差した時、瞬間的に左の鼻に異臭が入ったとの事。
問題はその後その異臭が残ったまま何をしても取れないという症状です。
神経的な症状と考え、色々処置してみましたが無効。
改めて鼻翼に触れると左の鼻翼が異常に緊張し硬くなっています。
鼻翼の脇に迎香というツボがあり、そこに浅く鍼をしたところたちまち改善しました。局所の気の停滞というべき症状です。
これは患部から離れたツボを刺激して治すとは別の患部そのものの状態を診るという事の重要性を教えてくれた忘れられない症例でした。




思い出の症例その1,ストレスの高齢女性
この方は、数十年前の症例ですが強烈に記憶に残っている方です。
頭痛、肩こりを訴えて来院されましたが、身体を調べるとどう見ても強烈なストレスの有る方にしか見えません。
脈も舌も上部に籠る熱も全てがつながります。
「貴方は何かストレスをお持ちでしょうか?」「いいえ私は家族に囲まれて幸せな状態で何もストレスはありません。」
こういう状況の中で、治療を続けて三か月程経ったころ「実は・・」と理由を教えてくれました。
それは想像を絶する程の強烈なものでした。
結局この方は最後亡くなるまで往診で治療していく事になったのです。
「口はいくらでも嘘をつけます。しかし身体は絶対にごまかせない」のです。
教訓として痛烈に印象に残っています。




症例16  モルモットの治療!
皆さんは動物の鍼治療というのをご存じでしょうか。
中国では獣医鍼灸学という分野があり、主に家畜に対する治療が行われています。
今回患者さん宅のペットであるモルモットが原因不明の食欲低下を起こし獣医さんの点滴を週数回と口から栄養補給を行って何とかもっている状態が続いていました。
以前ペットの高齢な猫が内臓機能が低下して夏を越せないと宣告されたのを当てる鍼治療をして4年以上寿命を伸ばした事があったので、4月25日にモルモットを治療する事になりました。
動物は背骨に沿ってツボを探り、反応点に鍼を当てて刺激する形をとります。

モルモット 3歳
一月前より食欲不振。4月5日から獣医の下で点滴治療開始。
4月25日初めての治療
左腰近くに反応を認め、一か所に鍼を当ててみます。一回目の治療後しばらくして、驚いたことに食べ物(キャベツ)を食べ始め自分から要求しだしました。
28日2回目の治療を行いましたが、やはり反応が出ており今回は数カ所の治療を行いました。
29日には臭い大量の排便がありました。望ましいのはその後食欲の回復を期待したのですが、逆におとなしく寝ているようになりました。
これは人間にも通じる現象です。一般的に宿便と言いますが、こういう排便がある事は口からも食事が取れることが期待できる現象です。
しかし排便が体力を弱めてしまう現象が見られる場合、多くは生気の弱りを示します。つまり寿命が尽きつつある場合なのです。
これは人間の場合でも同様の現象が見られます。
「亡陽」といいますが、ロウソクの灯が消える寸前に明るく燃える現象を指します。ウトウトしていた人が突然一時的に元気になり、新聞でも読み出し回復を喜んでいると、排便後ガクッとくるような事があります。
動物も一緒なんですね。
5月2日3回目の治療を行いましたが、
これで改善しない場合はそっとしておいた方が良いと話しておきました。
結果翌日静かに亡くなりました。この経験からいくつかの点で興味深い教訓を得ることが出来ます。
・1,2回目の治療後の反応からして、極めて効果があったといえます。一か月も点滴を受けて何の変化も無かったのですから。
・生気と邪気のバランスが人の場合と極めて共通性があります。やはり動物の持つ共通性と言えると思います。
・見るに見かねて治療を開始しましたが、もっと早期点滴開始頃から治療すればおそらく助かった命であると確信しています。




症例15,検査と症状・・変形性膝関節症
・多くの方にみられる膝の痛み。年齢が高くなるほど指摘されるのが「変形性膝関節症」
当院でも数名の方が治療に見えています。
大概膝に水がたまる、という症状が共通しています。この水がたまるという事が意味するのが「
炎症」なのです。水を抜くという治療法がありますが、炎症を制御しない限りすぐまた脹れてきます。
裏を返せば、
膝関節が変形しても炎症を治せば痛みは改善します
当院の患者さんも治療で、炎症を改善して毎週のようにゴルフができるようになった方々もおります。
面白いことに、以前のレントゲンと比較してもらうと変形はむしろ進行していると指摘されます。
この秘密が「炎症」なのです。そして炎症を繰り返す事により、関節の変形を急速に進めてしまいます。
炎症の制御、改善こそが変形性関節症の治療の最大のポイントなのです。
検査の結果=症状とは必ずしも一致しない事がある、という点は重要だと思います。
これは腰椎分離症やすべり症と腰痛との関係にも言える点だと思います。
・では全てがそう言えるかというと必ずしもそうではありません。当院の場合「変形性股関節症」の患者さんを診る機会が有りますが、この疾患については痛みの改善、可動域の改善が得られるものの大概は緩徐に年齢と共に進行していきます。ストレッチや筋力強化によって進行をある程度抑えることは可能ですが、定期的な検査と合わせ病気の進行をチェックする事が必要だと思います。現在は体に負担の少ない外科的処置もあるので、将来を見据えた考えが必要だと思っています。




症例14  興味ある症例
全身脱毛症の40代女性の症例
この方は少女期より時々円形脱毛症。5年前産後に頭部脱毛が悪化。
次第に回復して来たが、2022年夏に突然悪化。しかも脱毛が全身に広がり、まつ毛もない状態である。
2022年12月に初診。
【経過】
この方の症状の原因は「気滞血瘀」とみて週一日の治療を開始。いずれにせよ長期戦になると考えている。
正月前後は、諸事情により3週間ほどの休止期間がある。
・1月末になるとまつ毛が再生。今後の回復が期待できる。
・ツボは背部のツボ2,3カ所を中心に処置。
【考察】
・症状自体は極めて難治、しかも全身的な脱毛である。
・回復するなら来た道を戻るようなもの。即ち体毛の方から改善するはずである。
比較的短期間にまつ毛が再生してきたことは、今後の治療が大きく期待できるものと考えている。
★4月12日左後頭部に数カ所わずかではあるが、発毛を確認。まつ毛も左側が順調に発毛してきている。

しかし長期間の経過を診る必要がある事は間違いない。

・ここで最近の鍼灸の業界では「美容鍼」というのをテーマに治療されている方々が見受けられる。
ではこのような重度の「美容的問題」を抱えた方が相談に見えたらどうされるのだろうか・・・これこそ「美容鍼」というなら真骨頂を問われる問題であるものと考える。



症例13  78歳の難聴の女性の症例
この方は症例5の難聴の男性の紹介で昨年11月下旬に来院されました。
5年前から次第に左耳が難聴となり、2年前から補聴器使用。離れた人の声がエコーがかかっているように聴こえる。
高齢であり、年齢のためと耳鼻科では診断されているが何とかならないだろうか・・という相談です。
低音の耳鳴りを伴い、目のカスミもある。(これは重要な情報です。)
【経過】
・東洋医学的には「肝腎陰虚証」とみて肝と腎の気を補う処置を継続。
当面は5日毎の通院。
・12月中旬頃耳鳴りの減少を自覚
・耳鳴りは疲れると悪化する。
・正月期間は3週間ほどの休止期間があったが、今年に入り週1回の治療を継続。耳鳴りやエコーがかかる症状は軽減。目もはっきりしてきた。
・本人の話では、体がしっかりしてきたと言って喜ばれている。

【考察】
・高齢で長い経過がある症状で、大概は「年のせい」で片付けられてしまう症状であろう。しかし基本的な体質的な所から治療していく事によって、少しずつ回復されている症例です。
これは極めて重要な点であろうと考えています。
手、足に2本の鍼治療(これが基本)。足の冷えには温灸、後頸部の緊張を緩める処置適宜加えて治療を継続しています。


★この方は耳鼻科の聴覚検査で不変、やや聴力低下と指摘されました。が、耳鳴り減少、エコーがかかったような症状の改善といった明らかな効果が出ております。これが「聴覚」と「聴力・聴能」の問題です。検査で悪くとも自覚症状の改善があるのは事実です。

症例12 長期健康管理に通われている40代男性の症例
この方の初診は2008年。実に15年間ほぼ毎週健康管理に鍼灸治療に通われている患者さんです。現東風に移転前の東風鍼灸院からの患者さんです。
何故この方は治療を続けているかというと、元々この方は極めて真面目な性格で職場の人間関係のストレスにより神経症状を示し当院初診時は極めて強度の「気虚」症状を主訴にしていました。
これは少し危険な段階に入りつつある状態で、早急な処置が必要となります。吐き気や冷や汗、不眠、動悸等が主症状となります。
治療によって回復され、健康管理を目的に通われていますが今でもストレスによる影響は体の反応に現れています。
また腰痛等も同じ原因から発症しますが、早期に改善します。
自分の弱点を知り、治療によって健康を管理する・・東洋医学では「未病を治す」という言葉がありますがそれを実践されている方だと思います

症例11 倦怠感を主症状とする70代女性の症例
この女性は、約1年半前から倦怠感、意欲の低下、3年前から眼の異常(まぶしい、瞬き)、現在は両眼瞼下垂を主症状とされた方です。病院で諸検査しても異常なし。開業医から、ギランバレー症候群(末梢性神経障害)の疑いと指摘されています。
15年前メニエル発作があり、以来トラウマから上向きが出来ない。糖尿病の持病がある。2022年9月に初診されました。
【経過】
・大体週一度の治療を継続。9月末には少し買い物に出かけられるようになる。
・10月に入ると観劇のため上京出来た。前回の観劇の時は出発駅で引き返したとの事。中旬には近距離の運転が出来るようになる。
その後散歩や買い物にも意欲が出るようになり、今年1月に眼瞼下垂の手術を受け眼もはっきりした。本人はアルバイトをして働きたいと言っている。少しづつ上向きも出来るようになってきている。
・今後は引き続き2週間に一度程度の治療にて経過を見て行く予定
である
★2月9日来院され、7000歩歩けたといっているが反応自体は残存。
引き続きの経過観察、治療は必要と思われる。
考察】
この方は東洋医学的には「気虚」症状と考えられますが、神経系の難病の可能性があり、綿密な体表観察を要しました。
・初診時極めて特徴的だったのが、東洋医学の「肝の臓」から左側胸部にかけて氷のような冷えがあり、これが原因になっているものと判断しました。毎回側胸部の反応点を目標に重点的に鍼治療を行いました。ほとんど1本だけの鍼治療です。
・幸い冷えの反応の改善とともに体調改善。これを東洋医学的に分析するのは難解になるので、HPでは省きますが簡単な神経症状ではないのではない
か・・と思っております。
・中々診断が難しいような病気であっても、
体が示している反応を丁寧に追って行けば病気が改善できる良い症例と言えます

症例10 ヘルペス後遺症の70代女性の症例
この方は一年前の症例ですが、ヘルペス後遺症による口内の痛みに悩まされ、治療にて完全に改善された症例です。

【経過】
6月にヘルペス(帯状疱疹)発症。右顔面、耳、口の痛み。
後遺症にて舌、口中のピリピリした痛みがあり、食欲低下、ウツ症状を起こす。
現在は舌のピリピリした痛みが続いている(右舌辺)鍼灸未経験。
12月中旬より治療開始。
一か月後には舌の痛み6割改善。痛みは次第に緩解、途中急性腰痛発症など有ったが、月に1,2回の不定期な治療にて経過を診て5月に終了。現在も症状なし。
【まとめ】
基本的に舌の痛みは、東洋医学的には心の臓や脾の臓が関係する場合が多いのですが、この方の場合手の陽明経の熱と足の脾の臓が関わる反応とみて、手足のツボを選択して治療しました。顔面や、まして「舌」に鍼をするような事はありません。
このように体に出ている反応を追っていく事が重要なのです。



症例9 ウツ症状の40代男性の症例
この方は職場のストレスが原因で、ウツ症状に悩まされ当院HPを見て11月に来院されました。

【 症状】
・気分が塞ぎ、やる気が出ない。眠りが浅く布団に入っても眠れている気がしない。
・笑うことが減り人の話が頭に入りにくくなっている。
・最近は少し落ち着いたが、動悸がすることがあった。周囲から考え過ぎと言われることがある。
・目の疲れ、カスミ、乾燥感がある。(これは重要な情報)

典型的なウツ症状である。来院時服薬は行っていない。

【処置】
・全身的な体表観察を行い、東洋医学的な意味で「心」「肝」の部分に熱が籠っている状態と診断した。
ストレスによる負荷は肝の臓(西洋医学の肝臓とは異なります。)に影響しますが、悪化していくと心の臓に影響し心身の不調を引き起こします。

・初診時、背部のツボ2か所に鍼治療を行う。治療後目の症状は大幅に改善

・週一日の治療継続。精神的にも落ち着き、睡眠状態も改善。実質5回の治療で安定し今後は様子を見ながら経過を見ることになりました。

【考察】
・鍼灸はこの方のような精神、神経的な症状にも有効です。これは東洋医学的な意味での内臓学と神経、精神的な病気との間には関連する要素があり、この調整によって治療が可能となるためです。
・この方は本来的に体力もあり、元気な方でしたので数回の治療にて改善しましたが、病気が長期に渡ったり投薬に対して常習性や依存性の強い方は治療期間はそれなりに必要です。このように簡単には改善しません。
しかし肩や腰といった病気以外にも鍼灸が有効であることは重要な意味があるのです。


症例8
コロナ感染後の後遺症の40代女性の症例


・この方は二月末に家族内感染でコロナ発症。幸い軽症でしたが、感染後続いていた咽痛が5月に入って悪化、強い咽痛が起る。痛みに悩まされ6月11日知人の紹介で来院されました。

・主訴は鼻と喉の間の乾燥感、背中の痛み、圧迫感、時々息苦しくなる。頭重感、夜間寝汗(これは重要な情報です。)→西洋医学的には慢性上咽頭炎の症状。この部分に炎症が残り、Bスポット療法といって患部に炎症止めの薬を塗る治療が行われるようです。複数回の処置が必要であり、しかも効果にはバラつきがあり、やってみないと分からないと言われています。

【経過】
・患者さんは、漢方薬や投薬、鼻うがい等を行っているが効果が上がっていない状態でした。


・6月中は消炎目的に持続的な治療を継続。7月に入って上咽頭の症状が大分改善傾向が出てくる。 症状はストレスや疲労によって悪化傾向がある

・8月に入ってストレスに対する治療を中心に5日毎に処置。9月になって症状は安定傾向を示す。

・10月に入ると週に1日程度の治療。日常生活では大体元の状態になる

・11月になると症状は緩解、自律神経の調整を目的に月に数回治療をしている。

【まとめ】
・この患者さんは初期相当症状が強度であり、全く諸治療で改善して来なかったので、将来的な不安が強かった。


・持続的な治療にて、炎症は次第に改善して来ているが自律神経のバランスやストレス等による症状の再発(初期に比べると多少のレベル)が認められ治療期間が予想より長くなってしまった。現在は初期の症状については、ほぼ良くなっている。
但し発熱等で、今なお強度ではないが初期症状が見られる事があるが、早期に改善する。この後遺症状は中々抜けない点は興味深い。強度であった初期症状に対するトラウマが影響している可能性もある。
こちらでは詳しくふれないが、東洋医学的には解説できる事があるのですが・・


症例7  左肩痛の30代女性の症例

この方は9月初め頃より左肩の痛み発症。同時にめまい、フラツキ感もある。整形外科にてブロック注射、2日間位効果があるが、その後却って症状悪化。10月に入ってどうしようもなくなり、当院に来院されました。
体を診察すると、むしろ右側に緊張が強い。
大変ストレスの多い環境で仕事をしており、上下左右の気のバランスの崩れが、左肩痛、めまいの原因であると診断した。
全く左肩に触れることなく、頭部や腹部の治療で4診で痛み消失。
めまい感が残っているため、症状に合わせ不定期な治療を継続している。
このように上下左右の気の偏在を調整するだけで、症状の改善を期待出来るのが鍼灸治療には可能なのです。
一切患部に触れることはありません。



症例6  自験例(コロナ陽性)改訂版
経過】
・10月10日 往診患者の40代男性(脳性麻痺、四肢麻痺。体格は中学1年生レベル)が施設内感染にてコロナ発症。その後家族も陽性(軽症)
彼は体質的な問題からワクチン未接種、重症化の可能性があり以前マイコプラズマ肺炎を治した経験から半ば感染覚悟で治療継続した。患者さんは現在すっかり回復。施設通所も再開している。
・15日早朝より伊勢神宮参拝に向かう。午後は市内観光
 15日夜異常な夜間頻尿が起る。30分に一回位
・16日早朝参拝したが、微熱感があり37度5分。その後8度近くまで発熱した。感染の可能性大のため、午後の予定、ホテルをキャンセルして前橋に戻る。

(処置・帰宅後)
・手のツボから清熱、足のツボ二か所に鍼を行う。
・夜、咳のため手にも鍼治療。

・16~17日早朝にかけて夜激しい下痢が起る。頻尿は落ち着く。
17日抗原検査陽性。喉の違和感(痰がからむ)と口が不味い。
(処置)
・手にお灸治療。足のツボに鍼治療。これを一日2回

・週の受診予定を皆キャンセルし、隔離治療生活となった。
・18日の段階で平熱に戻る。他者への感染への危険性は減ったが、陰分に熱が残っている感覚である。実際夜になると微熱となる。
(処置)
。左手、足のツボに鍼治療。

・19日日中の熱はほぼ正常となる。
(処置)
・引き続き同様の処置

・20日軽く熱が残っている。体温36度6分 症状はクシャミ、味覚正常、喉の違和感ほぼ消失。
抗原検査は未だ朝の段階で陽性。
(処置)
・手のツボにお灸治療

・21日自覚症状消失、ジムワーク再開
(処置)
・左手、足のツボに鍼治療

・22日抗原検査、陰性となる。


【考察】
・コロナは風邪と同じ・・とする説があるが、自験した感覚ではそうは思えない。はるかに邪実の強い外感病である。
それは受感後の激しい生理現象(頻尿、下痢)の強さが証明している。
一般人の場合こういう場合に下痢止め等を服用するケースがあると思うが、極めて危険。邪を一気に内向させる可能性がある。
生理現象と病理現象との明確な理解がないと処置を誤る危険性がある。
今回の自験例では、一切服薬を行っていない。
全て鍼灸のみの治療で軽快させている。

コロナは表証が去った後も陰分に邪熱が残りやすい。これをどのように清熱するかが重要なポイントであろう。
また気分から営分にかけて伝入しやすい傾向があるように感じる。

邪実の本体は湿熱。結局最終的には痰邪が残ってくる。しかも夜間。
この部分をどう清熱しきれるのかがポイントとなるし、病邪の位置を分析しての処置が大切となる。

治療家の力量が問われると考える。

決して油断せず楽観視する事のないように。
 


症例5 2つの耳鼻科医に不治を宣告された突発性難聴の男性の回復例

75歳男性、4月恒例の四国お遍路。20日間で400キロ歩いた。
帰宅後強度の疲労感を感じた。5月に入り左耳鳴りと難聴を自覚。難聴は2~30年間で3回目。
今回2か所の耳鼻科で一生治らないと宣告された。
某治療院にて鍼灸治療。耳周囲の治療が痛く一回で脱落。
紹介者を経て7月23日来院されました。
・全身状態は特に問題なし。遍路練習のため毎日ランニングを続けており、右膝内側痛がある。
・左耳鳴りは高音、朝が顕著に感じる。
【処置】・1診後耳鳴りが減少、6診後は半分以下になる。治療は週二回
・10診後は耳鳴り90%減少、耳周囲の反応を診て鍼治療を加え聴力回復を強化した。
・16診(9月8日)左聴力回復。耳鼻科で再検査にて確認した。
・17診 聴力は出ている。耳鳴り症状に日差があるため、今後は不定期な治療にて経過を見て行く事とした。
〇結果、耳鼻科にて不治と宣告された難聴を回復させた事は鍼灸治療の可能性を証明できたものと考える

この方は4月初めから、お遍路の旅(2週間)に出かけます。前回過労から難聴を発症されたので、今回はカマヤミニというお灸(簡易灸)を足三里に毎日すえて歩くようにしてもらいました。足の三里は膝の下にあるツボですが、足の疲労の改善、胃腸機能を整える、のぼせを下げる等の効果があり旅の養生灸としては最も優れたツボだと思います。

笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより松尾芭蕉奥の細道序文より


★2週間のお遍路から帰宅され、三里のお灸を続けたところ足の痛みも大分軽くなり前回の酷い疲労感もなかったと報告を受けました。

◎2023年6月17日耳鳴り及び難聴の再発を訴え来院されました。診察すると浅い風邪を引いており、その影響によるものと診断。21日再診治療にて90%改善との事で経過観察となりました。

症例4 コロナワクチン4回目接種後の後遺症の女性

70代女性。7月6日、コロナワクチン4回目接種。3回目接種までは特に異常なし。接種後軟便、胃部不快感、8日頃より食欲低下、倦怠感発症。体重も低下した。
当院には7月11日に来院されました。
この方は以前より、腰痛や首肩の症状で治療を受けておられる方でいつも数回の治療にて改善されている方です。
結局胃腸の調整を行ったところ、3回の治療で改善。
現在は体重も戻り元気に過ごされています。

症例3 リウマチの40代女性
この方は2014年に来院され、小児期からのリウマチをほぼ克服され現在は数か月に一度受診されています。

この方は小児期より、リウマチの痛みに悩まされ初診時も疲労や冷え、風邪などをきっかけに体の各所にリウマチの痛みを発症。
7年前当院を受診されました。
この方は体質が冷え、水分代謝の悪い傾向があり外邪(風邪や冷え)に中ったり疲労やストレスによって症状が引き起こされる状態が続いていました。
この方は当院の治療に加え、指示したツボに家庭で温灸治療を継続してもらったところ薄皮をはぐように年々元気となり現在は数か月に一回程度治療に見えるだけの状態になっております。
このように小児期からの慢性病であっても克服出来るのです。というか、鍼灸治療でしか成しえない成果だと思います。。

症例2 慢性心不全の80代男性
・この方は平成28年12月に来院され、現在も毎週1日の通院治療を続けています。

・初診時、背部痛を主訴に来院。体表観察にて、内臓痛と判断。脈診から心、肺の異常を疑い医療機関での検査を指示。
心不全の診断があり、1週間入院。その後再発防止、健康管理を目的にずっと治療を続けています。
・すでに8年間近く治療継続していますが、定期的な検査でも数値は安定しており元気に過ごされています。
この方は性格的に無理をしてしまうことがあり、面白いことにそういう場合は大量の鼻出血を起こしますしかし出血後比較的早期に回復されます。東洋医学では、鼻血を「紅汗」として邪熱を排泄する生理機能とみる考えがあります。
この方の場合、そういう現象として考えております。

症例1 COVID-19(疑い)後遺症男性
この患者さんは今年2月に受診された方ですが、注目される症例でしたので下記の通りまとめ群馬県鍼灸師会学術講習会にて症例発表されました。

初診 2021年2月22日
患者 Sさん 男性 176cm 68kg(発病前79kg)
職業 自営業
主訴 呼吸困難
随伴症状 倦怠感、咳嗽(痰は伴わない)、眼球口腔内乾燥、鼻炎(鼻水)、
     食欲不振(発病前の50%、無理して食べている)
経過 ・12月26日 都内在住のお付き合いのある女性と濃厚接触  
 ・1月1日1時過ぎに飲食店内にて異常な寒気が起きる。
    日中に38.5度発熱。咳が止まらない。
   ・1月2日 解熱剤(市販)にて解熱したが、異常な倦怠感が起こりほとんど動けなくなる。
    一人暮らしのためベッドから動けない。
   ・味覚障害も起こり食欲もなく現在まで11キロやせた。
   ★この患者は正式な検査及び入院などは行っていない。元旦に保健所に連絡。職員から正月中なの    で明けに連絡しますとの事で待っていたが連絡なし。解熱し倦怠感、食欲不振などが主訴になっ    ので自宅療養していた。しかし、彼女は無症状であったが症状、経過からみて彼女を介してのコ    ロナ感染が十分に疑える。
   ★半月ほどして味覚障害、強度の倦怠感などが緩解。食事も摂れる。しかし無理して食べている、    経過中鼻をかむと、黒い塊が日に数回出る事があった。
現症 ・日に1時間に一度位呼吸困難、パルスオキシメーターで80台。
   ・場合に依っては70台。続いて発咳、倦怠感が起こる。深呼吸すると暫くして回復。
   ・身体を使うと症状が誘発される。(労作によって悪化)
   ・現在は休職中。日中は温泉施設に毎日通っている。温泉の湯気にあたっていると反って呼吸が楽    になるという。
                        初診前の状態

既往 ・結婚後、ストレスにより肝臓機能障害(現在別居生活
   ・55歳COPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断・・18歳より喫煙開始、55歳まで最高一日80本    の喫煙歴あり。以来禁煙。
   ・痛風は2019年3月(左足小趾側)、2020年10月(右拇趾側)
   ・飲酒 発症前 ボトル焼酎半分、缶ビール2缶程度
       発症後 22日初療後少し飲めるようになった。

治療歴
<2月22日 (第1回)>
 初見
 (脈診) 滑脈、案じてやや虚軟。
 (舌診) 左舌縁、赤み強い。右に偏歪。 やや淡泊気味。
      舌裏 瘀血著名
      気色は赤黒(瘀血、裏熱の可能性)
          

 (腹診) 腹部全体に異常な冷え感あり。
      右章門の裏熱、右乳下部に裏熱(章門から肋間に沿って反応あり)
      右不容、右天枢の邪
      ◎腹診中 右患部を触ると咳が誘発される感じがある。
       左は何ともない。
        


 (背候診)右肺愈、 督愈虚、督愈の虚強い。


処置
   ・右章門 古代銀 瀉
   ・巨闕、滑肉門 打鍼銀による圧刺激、火曳

<2月24日 (第2回)>
前回の経過
   ・胸が楽になり、呼吸困難軽減
   ・1時間に一度程度の症状が1日2回に減る。久々に空腹感がある。昨夜缶ビール1本が飲めた。
   ・すっきりした表情である。

所見
(脈診) 滑数
(舌診) 偏歪舌は若干改善。 赤みは良化
     舌裏は変わらず
        

(腹診) 右上不容に裏熱、腹部全体の冷え感は若干改善
     右不容、天枢に著名な邪
     右章門に裏邪
       

(背候診)右肺愈は若干虚が改善。督愈は虚

処置
   ・章門 古代銀鍼 瀉
   ・右不容、天枢 打鍼 瀉
   ・火曳
   ・左右少商 古代銀鍼瀉

効果
   ・数脈緩む
   ・腹部邪 少し緩む

<2月27日 (第3回)>
 前回の経過
  
 ・やはり1日2回程度の呼吸困難あり。
   ・前屈姿勢を続けていると苦しくなる。
   ・夜間呼吸困難消失。
   ・自分の感覚では80%程度治った感じ。
   ・昨夜から仕事再開(代行業)、依る11時から朝7時まで飲食店で過ごす。
所見
(脈診) 枯脈右優位
(舌診) 明るさ出る
          

(腹診) 章門、乳下部の裏熱 改善
     右不容、天枢、大巨に邪あり。


(背候診)右肺愈、督愈 虚


処置
   右天枢 スン 1番 7分置鍼

効果
   ・不溶、大巨の邪緩む。 枯脈残り百会古代銀瀉にて脈緩む。

<3月3日 (第4回)>
   ・前屈位でも苦しい感じが軽減。
   ・呼吸困難は一日1,2回あるが軽度。
   ・パルスオキシメーターも90台をキープしている。
   ・夜間呼吸困難(ー)
   ・食欲あり。(少し太った)、飲酒も以前のレベル。
   ・花粉症があり眼球口腔内乾燥症状は良くなっているようだが?。

所見
 (脈診) 滑やや数
 (舌診) 赤みは抜けてきたが、膩苔あり(飲食の関係と思われる)
      舌裏の瘀血やや改善。
             


 (腹診) 不溶の邪大分改善、章門、乳下部の裏熱も良
      右天枢(+)
          

 (背候診)肺愈虚、督愈の虚やや浮く。

処置
   ・右天枢15分置鍼
    ★4診にて大分改善したため、一週間後の経過をみて予後を考える。

<3月10日 (第5診目)>
   ・3月7日夜仕事中少し呼吸が苦しかったが、多分エアコンによる乾燥が影響したようだ。
   ・現在95%回復した感じ(本人)。
   ・前屈位をとっても息苦しさは無い。
   ・夜間呼吸困難(ー)
   ・一日2回あった呼吸困難も無い。
   ・食欲あり 4キロ増えた。
   ・パルスオキシメーター値も90~92%位

所見
 (脈診) 枯脈 右優位 数脈は改善
 (舌診) 舌が明るくなる。裏の瘀血も改善
                                     
 (腹診) 右天枢 邪
         

 (背候診)右肺愈 督愈 虚

処置
   ・右天枢 置鍼15分
   ・枯脈緩む。
  ★今後は経過観察とする。



  

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